変形性膝関節症は、1:4で女性に多く見られる症状で、慢性的なストレスにより徐々に変形が進行しますが、特に50~60歳での初発が多いとされています。内側型の変形が多く、進行すると見た目でわかるようなO脚になります。
最初は階段の上り下りや椅子からの立ち上がりで疼痛が出現しますが、症状が進行すると通常の歩行にも問題が出る様になり、日常生活に大きな支障が出ます。
膝痛がある方は運動量が低下していることが多く、それにより筋力不足になり関節を支える力が低下し、さらに関節痛が増悪する、という悪循環に陥っていることが多く見られます。
変形性膝関節症の原因と一般的な治療法
受傷メカニズムと診断方法
外傷が原因で起きることもあり、前十字靭帯損傷の9割は変形性膝関節症に進行すると言われています。
リスク要因として女性、肥満、肉体労働、怪我、糖尿病等の内科系疾患、ステロイドの使用等が挙げられます。
診断方法
主に画像検査で診断されます。体重をかけた状態でのレントゲン像で大体は判明しますが、レントゲン上は変形が目立たなくても、MRIで明らかになることがあります。
一般的な治療法
変形性膝関節症の治療は、大きく分けて骨切り術と人工関節置換術があります。
骨切り術
膝周囲の骨を切り、膝にかかる力の向きを変えることにより、傷んでいる部位にストレスがかからない様にします。スネの骨を切る場合と、大腿の骨を切る場合があります。後述の人工関節置換術と比較した利点として、若い方にも行いやすい、術後のスポーツ復帰がしやすいというものがあります。
人工関節置換術
日本においてはこちらの方がポピュラーです。傷んでいる関節の骨を切り、人工物と取り替えます。チタン製のものが使用されることが多いです。施設にもよりますが、1ヶ月前後の入院をすることが多いです。
リハビリ
まずは手術後の痛みや腫れのコントロールから行い、徐々に可動域訓練、歩行訓練と進んでいきます。人工関節では術直後から全体重をかけて歩行することが多いですが、骨切り術では松葉杖を使用し、かける体重をコントロールし、徐々に増やしていきます。
最後に
いかがでしたか?
一人ひとりのライフステージや関節の状況によって、最もよい治療法、対策は異なります。症状がない方はならないための予防の運動や筋力増加、生活習慣を、症状がある場合は医師に相談しましょう。